12
4月

私は子どものころ、電子オルガンを長いこと習っていて、それはそれでよかったのですが、心のどこかで、やっぱりピアノが弾けるほうが音楽として本物っといな・・・という思いがしていました。電子オルガンは、足も使うかわりに、左手がほとんど和音を押さえているだけなのであまり指が動かないのです。そして鍵盤がとても軽く、指で強弱をつけることもありません。そういったところが引け目でもありました。
短大が初等教育課だったので、ピアノの授業もありました。電子オルガンをやっていたおかげで、バイエル程度ならまあまあ弾くことができました。学校のピアノ室で、ピアノを思い切り練習することもできました。やっぱりピアノはいいな~と思いましたね。電子ピアノを家に買おうと思ったこともありました。
卒業して、ピアノが必要なところへは就職しなかったので、またピアノとは縁がない生活になりましたが、実の兄が楽器店に勤務していて、将来楽器を買うための積立をするよう頼まれたので、漠然と積立をしていました。その後結婚して、最初の子どもを妊娠したときに、胎教にいいかなあと思い、その積立金を使って電子オルガンを買いました。やっぱり自分としてはうまく弾けるのは電子オルガンのほうだったし、電子オルガンは楽器でもありますがコンピューターでもあるので、実家にあったものから数段進化していて、それがおもしろくもあったのです。
一人目の子どもは男の子で、できれば楽器を弾けるようになるといいなあとは思いましたが、それほど期待もせず、次に女の子が生まれました。女の子にはやっぱりピアノくらい身につけてもらいたくて、しかも、最初にピアノを弾けるようになってほしいと思い、ピアノを買いました。とうとう我が家にピアノが来たのです。
家にあると、うれしくて、昔のバイエルを出して来たり、新しく楽譜をいろいろ買ったりして、一時は本当にのめり込みました。朝から晩までピアノのことを考えていたといっても言い過ぎではなかったかもしれません。その頃は勤務先が家から近かったので、昼休みにわざわざ帰ってきて練習をしました。そうして熱心に練習して、自分にはむずかしすぎるかな、と思うような曲でも、独学で弾けるようになりました。そのうれしさといったらなかったです。
私がそうして夢中になったピアノですが、肝心の娘は、最初こそ近所のピアノの先生のところへ喜んで習いにいき、練習もしていましたが、だんだんむずかしくなると嫌になったようで、そこそこまで弾けるようになったところで習うのはやめてしまいました。
しかし、大学生になった今でも思い出したように好きな曲を弾いています。一度覚えたことは体が覚えていますね。ピアノって本当にいいものです。